『櫓音』取り扱い説明書
(1) 擬音発生器具「櫓音」を操作する際の心得
摩擦する部分に、付属品のスプレーで自社製のオイルを均等に1〜2度噴霧し、本器の軋み具合を確認する。
(2) 軋み音(櫓の音)が発生したら
音量と音質を蝶ナットで調節する。
(3) 音量の限界
音量や音質には自ずから限界があるので、蝶ナットの締め付け過ぎに注意を要する。
(4) 本器の弱点
支柱はとても繊細に仕上げています。
蝶ナットを締め付ける力には支柱もかなり耐えることができますが、握り棒を広げるなどして不用意に支柱に
負担をかけると破損の原因になります。
また横からの衝撃に対しても弱いので、落下させる等の衝撃を加えないでください。
(5) 長時間使用する時
舞台等で本器を長時間使用していて軋み音が薄らいできた時は、蝶ナットを締め付けて強引に軋み音を鳴らす
ことなく、(1)にて説明した通り、摩擦部分に軽く自社製オイルを補充噴霧してください。軋み音が復元し
ます。これは勘減り(6)を防ぐことにもつながります。
(6) 勘減り状態とは
勘減り状態とは、本器を過度に使用することにより、支柱のヘッド部分が磨耗し、響きが悪くなる状態のこと
です。
響きにもっとも必要な支柱のヘッド部分が勘減り状態になった時、本器の蝶ナットを取り外し、支柱のヘッド
部分を平らにほんの少し、付属品の木工用ペーパーにて削る事で、響きは復元が可能となる。
勘減りが激しいものと、その他の衝撃により破損し、復元不可能となった場合は部品交換させて頂きます。
<参考>
■ 櫓音(本体)付属品付き ¥30,000(税込)+送料
■ ヘッドパネル ¥3,000 (税込)+送料
■ 支柱 ¥3,000 (税込)+送料
■ 両方同時交換の場合 ¥5,000 (税込)+送料
■ 自社製オイル、スプレー容器付き1本 ¥1,000円(税込)+送料
支柱の勘減りに対し、当方で用いている材料以外の物を代用して修理されますと、支柱やヘッドパネルの故障
にもなりかねませんので、ご注意下さい。
(7) 劇・舞台・その他の音響効果に用いる場合
民謡舟唄の効果音以外、つまり劇、舞台等のドア開閉に生じる軋み音、木製廊下を歩行した際生じる軋み音を
求める際は、本機の袋ナットの部分を床面やドアに直接接触させて本器の握り棒を操作すれば、もっともリア
ルな音を求める事ができる。
民謡や歌謡曲の舟唄の、唄と唄との合間に本器の擬音を加える事により、いかにも船頭が櫓を操っている様な
軋み音を求める事ができ、舟唄が生かされます。
(8) オイルが不足した場合
オイルが不足した場合は直ちに当方にお申し出下さい。
<参考>
自社製のオイルは臭気が少なく、べとつかずサラッとしています。
(9) オイルの代用
オイルの代用として、色々な物で試してみましたが、現在のところ自社製のオイルに適う物はありません。
オイルの代用として水を用いた場合、必ず本器は壊れます。
■ 水厳禁
■ 自社製のオイルには少量の揮発系のオイルが含まっているので、火気厳禁です。
(10) 従事に際して
取り扱いに習熟しない者には、不用意に本器を貸し与えない。
(11) 響きの発生する原理(使用に関する総マトメ)
ワイングラスを使って指先で音を鳴らす原理を想像して下さい。
触れるか触れないかの瀬戸際で音が発生しています。指で強く押さえつけてしまうと、ワイングラスの響きは失われてしまいます。更に水はワイングラスに対しては有効ですが、本器は木製であるため、水は禁物です。
水は、密着度が高まり過ぎて、壊れる事の原因につながります。
使用する際には、必ず自社製オイルの噴霧からスタートし、鳴りを確認して下さい。
但し、支柱とヘッドパネルそれぞれにではなく、支柱7割・ヘッドパネル3割といった配分で自社製オイルを噴霧するのが適当と思われます。噴霧する際の本体との間隔は15cm位が最適と思われます。
以上の操作により約30分〜1時間の継続が可能です。
自社製オイルの効果が薄らえると、低音は鳴りにくくなります。しかし辛うじて音が鳴っているので、「蝶ナットさえ締めれば響きや音量が求められるもの」と誤解されることがあります。蝶ナットを締めがちにして操作されると、支柱や本体の寿命が短命になってしまいますので、避けてください。
使用後は現状の締めの状態より少し緩めるようにしましょう。
持ち運び・保管に関しては、木箱等、外部からの衝撃に耐えうる物に収納しましょう。
(12) いつでもご相談ください<
本器使用にあたり不明な点や破損が生じた場合には下記までご連絡下さい。
TEL・FAX 086-273-5182
Eメール yuumotosouun@souundou.jp
筆者:勇元宗雲